最終更新:2026年9月2日
設定作業より先に、送信経路を把握する
SPF・DKIM・DMARCはDNSへ文字列を追加すれば終わるとは限りません。社内メールだけでなく、問い合わせフォーム、メルマガ、予約、請求、EC、採用などが別のサービスから同じドメインを使って送信している場合があります。送信元を漏らすと、正規メールが認証に失敗するため、一覧化から始めます。
最初に確認する症状
| 誰から誰へ | 送信アドレス、宛先のメールサービス、発生した日時を記録します。 |
|---|---|
| どのメールか | 通常メール、フォーム通知、自動返信、メルマガ、予約・購入メールを区別します。 |
| どうなったか | 不達、迷惑メール、警告、遅延、特定宛先だけ失敗など、症状を分けます。 |
| いつからか | メールサービス、フォーム、DNS、サーバーを変更した時期と照合します。 |
バウンスメールが返っている場合は削除せず保存します。エラーコードや認証結果が原因特定に役立ちます。
自社ドメインを使う送信元を一覧にする
- 社員が使うメールサービスと送信サーバー
- WEBサイトの問い合わせフォームと自動返信
- メルマガ・顧客管理・営業支援サービス
- EC、予約、請求、決済、会員管理サービス
- 複合機、監視装置、業務システムからの通知
- 過去に利用し、現在は停止したサービス
各サービスについて、送信元アドレス、サービス名、管理担当者、公式のSPF・DKIM設定手順、現在も使用中かを記録します。
公開DNSを確認する
SPF
同じホスト名に複数のSPFレコードがないか、現在使っていない送信元が残っていないかを確認します。単純に新しいレコードを追加すると重複し、認証エラーになる場合があります。
DKIM
送信サービスごとに指定されたセレクタ名と公開鍵が登録され、管理画面側で署名が有効になっているか確認します。
DMARC
ポリシー、集計レポート送信先、SPF・DKIMとの整合方法を確認します。送信元を把握していない段階で拒否を強化せず、レポートを確認できる体制を先に整えます。
公開情報の確認には、Google Admin Toolbox CheckMXなどを利用できます。
テストメールのヘッダーを確認する
Gmailなどへテストメールを送り、メッセージのソースまたは「メッセージの詳細」から、SPF、DKIM、DMARCの判定と送信元ドメインを確認します。
- SPFがpassでも、画面に表示されるFromドメインと整合しているか
- DKIM署名のドメインが自社または利用サービスの設計どおりか
- DMARCがpassしているか、どの認証結果で整合したか
- 想定していない中継サービスや旧サーバーを経由していないか
個人情報や秘密情報を含むメールヘッダーを、不特定多数が閲覧できる場所へ掲載しないでください。
DNS変更前後の注意点
- 現在のレコードをそのまま記録し、戻せる状態にする
- ドメイン責任者とメール運用担当者の承認を取る
- 変更するホスト名、種類、値、TTLを確認する
- 繁忙時間を避け、テストできる担当者を確保する
- DNS反映後、送信元ごとにテストする
- 数日後にも認証結果とエラー件数を確認する
GoogleはGmail宛ての送信者に認証設定を求めており、送信量に応じて要件が異なります。最新要件はGmail送信者ガイドラインで確認します。
管理表に残す項目
| 項目 | 記録内容 |
|---|---|
| ドメイン・DNS | 契約会社、契約名義、管理画面、更新期限、担当者 |
| 送信サービス | 用途、送信元、管理者、SPF・DKIM仕様、利用状況 |
| 変更履歴 | 変更日、変更前後の値、理由、作業者、承認者 |
| テスト | 送信日時、宛先、SPF・DKIM・DMARC結果、エラー |
DNS設定から認証テストまで依頼できます
送信サービスが複数ある、現在のレコードが正しいか判断できない、DNS管理画面の操作が不安な場合は、環境確認から設定・テスト・報告まで対応します。
